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(ja_JP) 複数の JIRA 課題を単一の Dynamics CRM レコードにリンクする

(ja_JP) 複数の JIRA 課題を単一の Dynamics CRM レコードにリンクする

複数の JIRA 課題を単一の CRM レコードにリンクする

複数の課題からの JIRA データを単一の CRM レコード (たとえばケース レコード) に保存するには、不特定数の課題に対する JIRA データを書き込み、1 つの課題からの値を別の課題のデータで上書きしないようにしつつ、JIRA データを課題ごとにグループ化できる場所が CRM に必要です。これを実現するには、JIRA に直接リンクされているケースまたは他のレコード タイプと ”親子” (N:1) 関係を持つカスタム エンティティを CRM に作成します。ケースに複数のコメントを追加できるのと同様、ケースに対して複数の JIRA 課題を持つことができます。このカスタム エンティティの各レコードは、単一の JIRA 課題からのデータを保持します。JIRA からコピーしたい値を持つ JIRA フィールドそれぞれに対して、このカスタム エンティティにフィールドを作成します。

注意 : 複数の JIRA 課題を単一の CRM レコード (ケース レコード以外) にリンクするには、バージョン 7.1.2 またはそれ以降の CRM プラグインを使用している必要があります。

ここで説明したとおりに CRM とプラグインを設定したら、2 つの方法のいずれかで複数の JIRA 課題を同じ CRM レコードにリンクできます。CRM 画面または JIRA 編集画面で [既存の JIRA 課題にリンク (Link to existing JIRA issue)] ボタンを使用するか、JIRA 課題を作成し、プラグインのケース フィールドを使用して課題を見つけて CRM ケースにリンクします。

CRM のカスタム ボタンを使用してプラグインの課題作成サーブレットを呼び出すか、または JIRA でプラグインの Cron サービスを有効にすることにより、CRM から JIRA での課題の新規作成を引き続き行うことができます。

Dynamics CRM でカスタム エンティティを作成する手順

  • Dynamics 365 にサインインし、[設定 (Settings)] > [カスタマイズ (Customizations)] > [システムのカスタマイズ (Customize they System)] の順に移動します。
  • [コンポーネント (Components)] リストで [エンティティ (Entities)] を選択し、[新規 (New)] をクリックします。
  • [表示名 (Display Name)] および [複数名 (Plural Name)] に、"JIRA Issue" および "JIRA Issues" などの値を記入します。
  • [名前 (Name)] フィールドは既定値に設定します。ここでは、"new_jiraissue" となります。
  • オプションとして [説明 (Description)] に "このケースにリンクされた JIRA の課題" などの説明を入力できます。
  • JIRA から CRM にコメントや添付ファイルをコピーする予定の場合は、[メモ (添付ファイルを含む)] 設定を有効にします。
  • 画面上部の [保存 (Save)] アイコンをクリックして完了します。

その後、カスタム エンティティに少なくとも 2 つの新しいフィールドを作成する必要があります。1 つは JIRA の課題のキーを保持するもの、もう 1 つは親オブジェクト (ここの例ではケース) にリンクするものです。

  • 前の手順と同じウィンドウで、左側の [フィールド (Fields)] をクリックするとエンティティに対して既に作成されている定義済みのフィールドの一覧が表示されます。
  • [新規 (New)] をクリックし、[表示名 (Display Name)] を "キー" に設定して [保存して閉じる (Save and Close)] をクリックします。
  • [新規 (New)] をクリックし、[表示名 (Display Name)] を "親" に設定します。[データ タイプ (Data Type)] を "ルックアップ" に、[目的のレコード タイプ (Target Record Type)] を "ケース" (または JIRA にリンクするその他のレコード タイプ) にそれぞれ設定します。[保存して閉じる (Save and Close)] をクリックします。

同じ手順を繰り返して、JIRA の課題フィールドからの値を保持する他のフィールド (”説明” や "ステータス" など) を作成できます。これらのフィールドのほとんどは "テキスト" タイプであるため、 JIRA からの値を保持するのに十分な長さに設定するようにします。

次に、プラグインが新しいカスタム エンティティに作成するレコードを含めることができるよう、ケース レコードの表示に使用する Dyamics CRM フォームを変更します。

  • 画面左側で [コンポーネント (Components)] > [エンティティ (Entities)] > [ケース (Case)] > [フォーム (Forms)] の順に選択します。
  • 目的のフォームの名前 ("ケース" など) をクリックします。
  • 画面左側の [ケースの関係 (Case Relationships)] をクリックし、フォームのそのセクションに移動します。
  • ウィンドウ上部の [挿入 (Insert)] タブを選択し、[制御 (Control)] > [サブグリッド (Sub-Grid)] を選択します。
  • [名前 (Name)] フィールドを好みの値 ("JIRA 課題" など) に設定します。
  • [ラベル (Label)] フィールドを "JIRA 課題" などに設定し、[フォームにラベルを表示 (Display label on the Form)] オプションにチェックを入れます。
  • [エンティティ (Entity)] を "JIRA 課題 (親)" に設定します。
  • [OK] ボタンをクリックしてウィンドウを閉じます。
  • [ホーム (HOME)] タブに切り替え、[保存して閉じる (Save and Close)] をクリックします。
  • ウィンドウ上部の [公開 (Publish)] または [すべてのカスタマイズを公開 (Publish All Customizations)] をクリックし、カスタマイズを完了します。[ソリューション (Solution)] ウィンドウを閉じます。

これにより、CRM でケースを表示すると "JIRA 課題" という新しいセクションが作成されます。以下で説明するプラグインの設定変更が完了すると、ケースにリンクされた JIRA 課題がここに表示されます。

Dynamics での最後の手順は、プラグインが新しいカスタム エンティティでデータを読み書きできるよう権限を更新することです。
CRM プラグインを初めてセットアップしたとき、CRM プラグインが CRM で必要なデータにアクセスできるよう、アプリケーション ユーザーとそのユーザーのセキュリティ ロールを作成しました (こちらを参照)。ここではそのセキュリティ ロールを編集して、新しいカスタム エンティティへのアクセス権を追加します。

  • 管理者権限のあるアカウントで Dynamics CRM にログインします。
  • [設定 (Settings)] > [セキュリティ (Security)] の順に移動し、[セキュリティ ロール (Security Roles)] 機能をクリックして現在のセキュリティ ロールの一覧画面を開きます。
  • CRM プラグインのセキュリティ ロール ("CRM プラグイン" などの名前です) を見つけてクリックします。
  • [カスタム エンティティ (Custom Entities)] タブをクリックし、スクロールして先ほど作成したカスタム エンティティ ("JIRA 課題" など) を見つけます。
  • 権限をすべて有効にし、[保存して閉じる (Save and Close)] をクリックします。

JIRA でプラグインを設定する

  1. JIRA の [CRM レコード定義 (CRM Definitions)] セットアップ画面で、CRM 親エンティティのレコード定義を編集します。通常、これが "ケース" レコードです。[CRM 子オブジェクト (CRM Child Object)] フィールドに、JIRA からの課題データを保持するために作成したカスタム エンティティの名前を設定します。なお、このエンティティ名には通常 "new_" が先頭に付きます (例 : "new_jiraissue")。

  2. プラグインの [JIRA/CRM フィールド マッピング (JIRA/CRM Field Mappings)] セットアップ画面で、JIRA の [キー (key)] フィールドを "CUSTOM_ENTITY_NAME:new_key" にマッピングする必要があります。たとえば、CRM カスタム エンティティに "new_jiraissue" という名前のオブジェクトがある場合、JIRA の [キー (key)] フィールドを CRM フィールド "new_jiraissue:new_key" にマッピングします。CRM から JIRA、および JIRA から CRM に常にコピーするよう JIRA の [キー (key)] フィールドのフィールド マッピングが設定されていることを確認します。


他の JIRA フィールドをカスタム エンティティ フィールドにマッピングするには、CRM フィールド名に以下の形式を使用します。

CUSTOM_ENTITY_NAME:FIELD_NAME

たとえば、カスタム エンティティ "new_jiraissue" の [new_jirastatus] フィールドに JIRA の [ステータス (Status)] フィールドをマッピングするには、CRM フィールド名に "new_jiraissue:new_jirastatus" を使用します。

コメントと添付ファイル

単一の JIRA 課題が単一のケース レコードにリンクされる既定の構成では、コメントと添付ファイルは JIRA 課題とケース レコード間でコピーされます。ここで説明したセットアップを使用した場合、コメントと添付ファイルは CRM カスタム エンティティ レコードにコピーされるため、処理方法が異なります。

プラグインの [CRM レコード定義 (CRM Record Definitions)] セットアップ画面の設定から、どの CRM コメントと添付ファイルを JIRA にコピーするかを管理できます。親 CRM レコードまたは子オブジェクト レコードのいずれか、またはその両方からコピーすることを選択できます。